紹介: ライブラリ Inner-conditional

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inner-conditional の紹介をします。

Q.なにができるの?

A. ループ(など)の中の条件判定を、内側に書いたままで外側に出せます。

(with-inner (body)
    (iter (for i from 0 to 5)
          (print i)
          (inner (body)
            (if flag
                (body (princ "loop on"))
                (body (princ "loop off"))))))

と書くと、

(IF FLAG
    (WITH-INNER (BODY)
      (ITER
        (FOR I FROM 0 TO 5)
        (PRINT I)
        (PROGN (PRINC "loop on"))))
    (WITH-INNER (BODY)
      (ITER
        (FOR I FROM 0 TO 5)
        (PRINT I)
        (PROGN (PRINC "loop off")))))

になって、

(IF FLAG
    (PROGN
     (ITER
       (FOR I FROM 0 TO 5)
       (PRINT I)
       (PROGN (PRINC "loop on"))))
    (PROGN
     (ITER
       (FOR I FROM 0 TO 5)
       (PRINT I)
       (PROGN (PRINC "loop off")))))

になります。うふふ、いいでしょ。キモイ?

この種のループ最適化というと、もとから全て行なってくれるような、とって も優れた処理系もあるかもしれませんが、なにせ実際に動いているのかどうか わかりません。(C言語とかって、賢いコンパイラはこういうのが全部デフォルト で付いているんですかね?) sbclでテストをした結果、 たしかに 条件判定 の分だけ早くなっていることが確認出来ました。

条件判定のタイミングは with-inner の部分ですので、 with-inner をど こに置くかで判定のタイミングを適切に設定できます。

(with-inner (body)
  (iter (for i from 0 to 5)
        (with-inner (body2)
          (iter (for j from 0 to 5)
                (format t "~%i: ~a j: ~a" i j)
                (inner (body2)
                  (if (evenp i)
                      (body2 (format t "  i is even"))
                      (body2 (format t "  i is odd"))))
                (inner-if body flag
                          (format t "  loop on")
                          (format t "  loop off"))))))

この例では、 body レベルでの条件判定は一番上で、一方 body2 レベルの 条件判定はループの二段目で行えます。 inner の方、すなわり条件判定の内 容を実際に書いている方で、そのレベルを指定できます。 (inner-if body ...) というのは構文糖で、 (inner (body) (if ... (body ...))) に展開 されるマクロです。ほかにも数種類あります。

inner 内で使えるのは if だけじゃありません。 cond でも、 case でも、オレオレマクロでもなんでも大丈夫です。特殊なマクロで制御構造を登 録する必要はありません。必要なのはこれだけ、すなわち、

継続であるかのように body を呼ぶこと

です。

(with-inner (body)
  (iter
    (for i from 0 to 5)
    (inner (body)
      (case (progn (incf count)
                   (mod arg 3))
        (0 (body (format t "divided. i*3 =~a~%"
                         (* i 3))
                 (format t "divided. i*3 =~a~%"
                         (* i 3))))
        (1 (body (format t "modulo 1. i*3 + 1 =~a~%"
                         (+ 1 (* i 3)))))
        (2 (body (format t "modulo 2. i*3 + 2 =~a~%"
                         (+ 2 (* i 3)))))))))

だってほら、全然違いますけど、内側と外側がひっくり返るじゃないですか。 プログラムは実際には 一番最初に 条件分岐をして、そして inner の中身 が body の引数を代入した状態で実行されるんです。似てませんか? 継続 に!

続きはまた今度。このライブラリのもうひとつのいいところ、 あなたのライブ ラリに、 条件分岐を隠したまま最適化できる能力 を与えられる点について お話しします。